少年のアビス(5)が発売されました。
いぇーい!!
前巻は柴ちゃん先生の暴走が激しかったわけですが、
今巻は果てして・・・。
今巻についても、
Youtubeの ヤンジャンTV【集英社ヤングジャンプ公式】 にて、
第5巻発売記念PVが公開されました。
お母さんに声が付きました!
可愛い声していますね。
後半の「女の目してた」のセリフに思わずぞくっとしてしまいました。。。
声優さんってすごいですね。
あと、1:21ごろから柴ちゃん先生が歌います。
たぶんに狂気を含んでいます(笑)
本題に入りましょう。
5巻感想
今巻も柴ちゃん先生は存分に暴れまわっております(笑)
しかし、今巻から、柴ちゃん先生以外のヒロインたちも、
それぞれの思惑に従い様々なアクションを起こしだします。
見どころ① 表情がいい
キャラクターの表情がとてもいきいき?としています。
特に目ですね。
目は口ほどにものを言う、という言葉もあるくらいに、
私たちはしばしば目に感情が現れます。
特に好きなシーンは、柴ちゃん先生とお母さんとの会話シーン。
それぞれのキャラクターの思いが、よく表情に表れています。
モノローグにせずに、表情で語らせるところがとても漫画っぽくてよいです。
特にぐっと来たのは、第45話 その町の聖母
柴ちゃん先生と令児のお母さんの対話シーンですが、
会話中での互いの表情・互いの目の描かれ方が、めちゃくちゃ魅力的です。
目は口ほどにものを言う、という言葉もありますが、
まさしくといった感じです。
安易にモノローグで語らせてしまうのではなく、
こんな風に表情や目で感情を魅せてくれるのが、漫画ならではの演出です。
見どころ② それぞれの思惑
少年のアビスでは、
主人公・令児に、各キャラクターがそれぞれのエゴに沿って、
期待を掛けています。
柴ちゃん先生
私はあなたのために行動している。だから正しい!
を、強引に令児に押し付け、縛り付けようとしている。
自由に生きてほしいと言いつつ、その実、ほかの女の子とは仲良くしないで欲しいと、
エゴまるだしの要求もして、それに沿わない奴らは全部倒してやろうという、
山賊もかくやという暴走ぶり。
この実に自分勝手なところこそ、柴ちゃん先生の魅力でもあるわけですが。
第39話 よすが
導入がほぼホラーです。
あと、ページにしてP40~P42の流れは個人的にとても好きです。
柴ちゃん先生の感情の移ろいが実に綺麗に描かれています。
そして―――。
チャコも令児と町を出るために、頑張っていたけれど。。。
そしてお母さん。
柴ちゃん先生のアクションをトリガに、
徐々にお母さんの思惑が見え隠れしだしました。
この、お母さんのちょっとダークな部分を知っていると、
ボイスドラマの可愛い声がちょっと意外で、
それでいて魅力的に聞こえるからすごいです。
玄は頑張れ!!
そして、この町に異物を持ち込んだ似非森浩作の思惑は果たして―――。
見どころ③ 令児の心情
今巻で最も好きなところです。
令児の独白と願いの獲得。
この揺さぶれられる感情、葛藤が、
物語の一番美しい部分だと私は思っています。
あんたに出会わなかったら
死んだままで
いつまでもいつまでもいつまでもこの町で生きていけたんだ!
引用:峰浪りょう「少年のアビス5」
青江ナギに出会って、交わって、令児の世界は一変してしまったのだと思います。
外の世界が輝いているなんて知らなければ、死んだように生きて行けたのに。
スマホの向こう側の、現実ではないはずの世界が、
現実にあるのだと知ってしまった。
生きることに喜びがあるのだと、輝きがあるのだと、
世界は輝いているのだと知ってしまった。
知るということは、大きな喜びであるとともに、
深い絶望への入り口でもあると思います。
知らなければよかったことも、気付かなければよかったことも、
一度知ってしまえば、もう知らなかったことには戻れません。
ずーっとそれを背負って生きていかなければなりません。
あるいは、それは呪いのようなものと言えるかもしれません。
あと、上記セリフ後の
「はい 火 ついた」の青江ナギカットがめっちゃ魅力的です!!
ぞくぞくします。
そうですね。
少年のアビスの魅力を総じて言うと「ぞくぞくする」だと思います。
決して綺麗ではない世界で、各キャラクターのセリフ、行動が、
蠱惑的でぞくぞくします。
各キャラクターが、思い思いに令児に期待を掛け、
時に言葉の鎖で縛りつけようとしたり、
時に感情をぶつけコントロールしようとしたり、
さまざまな思惑に振り回されながら、令児は令児で自分自身の願望を獲得していきます。
それが、良い方向であるものかは別として。
幸せの形は人それぞれですからね!!
少年のアビスを読んでいくうえで意識したいことの一つは、
”この町”だと思います。
それぞれが、この町に何を思っているのか、この町とどう向き合おうとしているのか。
そんな5巻でした。
今巻も最高に面白かったです!!