Compassブログ ~人生という航海へ向けて~

本ブログは、アフィリエイト広告を利用しています。

Asset

Management

Hobby

Infomation

Technology

Study

Zakki

【資産運用】【FP】お金の計算に役立つ6つの係数 その3(年金現価係数、資本回収係数) 最終回

こんにちは。

2級FP技能士Compassです。

 

前回(年金終価係数、減債基金係数)、前々回(終価係数、現価係数)に引き続き、

お金の計算に役立つ係数について、解説していこうと思います。

 

compass2021.hatenablog.jp

 

 

compass2021.hatenablog.jp

 

ライフプラン設計に関する6つの係数

  1. 終価係数
  2. 現価係数
  3. 年金終価係数
  4. 減債基金係数
  5. 年金現価係数
  6. 資本回収係数

 

今回は⑤年金現価係数、⑥資本回収係数について解説していきます。

 

お金の計算に役立つ6つの係数

 

⑤年金現価係数

n年間r%で複利運用しながら、毎年X円ずつ受け取りたい。

今いくら必要? 

 

"年金"を実現するために原資いくら必要か、という係数ですね。

 

具定例を見ていきましょう。

今から3年間、5%で複利運用しながら、毎年10万円ずつ受け取りたい。

1年後10万円受け取るには:\frac{10万円}{1.05}=9.52万円

2年後10万円受け取るには:\frac{10万円}{1.05^2}=9.07万円

3年後10万円受け取りには:[tex:\frac{10万円}{1.05^3}=8.64万円

→9.52+9.07+8.64=27.23

つまり、27.23万円あって3%で複利運用すると、

3年間、毎年10万円ずつ受け取り続けることができるというわけです。

 

これを文字を使って考えると、

\frac{X}{1 + r}+\frac{X}{(1 + r)^2} + \cdots + \frac{X}{(1 + r)^{n-1}}+\frac{X}{(1 + r)^n}

{\sum_{i=1}^{n} \frac{X}{(1+r)^i}}

X\times{\frac{\frac{1}{1 + r}\times\{1-\frac{1}{(1+r)^n}\}}{1-\frac{1}{1 + r}}}

X\times\frac{1-\frac{1}{(1+r)^n}}{1 + r - 1}

X\times{\bf \frac{1-\frac{1}{(1+r)^n}}{r}}

 

\frac{1 - \frac{1}{(1+r)^n}}{r}

↑の部分が年金現価係数です。

 

老後資産としていくら貯めておく必要があるか、などの計算に使用するのだと思います。

(個人的に、これまであんまり使用機会はなかったです)

 

例えば、60歳~64歳までの5年間、毎年120万ずつお金を受け取れるようにしたい。

資産は年3%の複利運用すると仮定する。

というようなケースを想定した場合。

年金現価係数:\frac{1-\frac{1}{(1+0.03)^5}}{0.03} = 4.58

→120万円 × 4.58 = 549.6万円

約550万円準備して年3%で複利運用すると、5年間120万円ずつ受け取ることができます。

 

老齢年金が65歳からなので、

60歳で定年退職してから年金支給開始までの生活資金をざっくり計算してみました。

金額と期間、運用利回りを変えてみて、いろんなシミュレーションができそうですね。

 

⑥資本回収係数 

今P円あり、これをn年間r%の複利運用しながら、年金受け取りをしたい。

このとき、いくら(X)受け取れる?

 

今の原資で、毎年どれくらいの年金受取を実現できるか、という係数ですね。

 

具体例を見ていきましょう。

今100万円あり、これを3年間5%の複利運用しながら、年金受け取りをしたい。

1年後X円受け取るには:\frac{X}{1.05}

2年後X円受け取るには:\frac{X}{1.05^2}

3年後X円受け取りには:\frac{X}{1.05^3}

この合計が100万円になればよいので、

\frac{X}{1.05}+\frac{X}{1.05^2}+\frac{X}{1.05^3} = 100万円

X\times1.05^2+X\times1.05+X=100万円\times1.05^3

X\times\{1.1025+1.05+1\}=100万円\times1.158

X\times3.1525=115.8万円

X=36.73万円

100万円ある状態で、5%複利で運用しながら3年間の年金受け取りを考えると、

毎年36.73万円受け取れることが分かりました。

 

これを文字式を使って考えると、

 \frac{1}{\frac{1}{1+r}+\frac{1}{(1+r)^2}+\cdots+\frac{1}{(1+r)^{n-1}}+\frac{1}{(1+r)^n}}

\frac{1}{{\sum_{i=1}^{n} \frac{1}{(1+r)^i}}}

\frac{1}{{\frac{\frac{1}{1 + r}\times\{1-\frac{1}{(1+r)^n}\}}{1-\frac{1}{1 + r}}}} 

\frac{1}{\frac{1-\frac{1}{(1+r)^n}}{1 + r - 1}}

\frac{1}{\frac{1-\frac{1}{(1+r)^n}}{r}}

\frac{r}{1-\frac{1}{(1+r)^n}}

これが資本回収係数です。

 

そして、勘のいい方ならこの後の展開も予想がついているでしょう。

この資本回収係数、どこかで見たことのある形をしていませんか?

年金現価係数:\frac{1-\frac{1}{(1+r)^n}}{r}

資本回収係数: \frac{r}{1-\frac{1}{(1+r)^n}}

となっており、それぞれ逆数の関係になっています。

 

使う場面としては、ある程度まとまった原資がある状態で、

取り崩しながら年金として受け取るならどれくらいずつ受け取れるか、が考えられます。

 

例えば、60歳までに500万貯めることができ、

これを65歳年金支給まで5年間の生活資金としたい。

500万円を3%で複利運用しながら取り崩すことを考えると、

どれくらいずつ受け取れるだろう、というケースを考えます。

r=3%、n=5の資本回収係数:\frac{0.03}{1-\frac{1}{(1+0.03)^5}} = 0.22

→500万円 × 0.22 = 110万円

 

500万円あれば、取り崩ししながら110万円ずつ受け取れるということです。

 

総括

以上が⑤年金現価係数、⑥資本回収係数の解説で、

6つの係数の解説でした。

 

最後なので全体のまとめをしておきます。

 

ライフプラン設計に関する6つの係数

①終価係数:今ある○○円は将来何円になる?

(1+r)^n
②現価係数:将来○○円にするために今何円必要?

\frac{1}{(1+r)^n}
③年金終価係数:○○円ずつ積み立てたら将来何円になる?

{\frac {(1+r)^{n}-1}{r}}
④減債基金係数:○○円にするためには何円ずつ積み立てる必要ある?

\frac{r}{(1 + r)^n -1}
⑤年金現価係数:毎年○○円ずつ受け取るために今何円必要?

\frac{1 - \frac{1}{(1+r)^n}}{r}
⑥資本回収係数:今ある○○円で毎年何円ずつ受け取れる?

\frac{r}{1-\frac{1}{(1+r)^n}}

 

 各係数の使い方は、○○円×各係数 = 何円 という風に使います。

 

それぞれを組み合わせながら、いろいろなシミュレーションができると思います。

ケース①-1

宝くじで1000万円当たった。

しばらく使う必要がないし、

インデックスファンドで定年退職まで複利運用しようと思う。

3%で20年間複利運用するといくらになるだろう?

→終価係数を使います。

(1+0.03)^20 = 1.81

→1810万円になる。

ケース②-2

上記ケースで一時金ではなく、20年間50万ずつで運用した場合、どうなる?

→年金終価係数を使います。

{\frac {(1+0.03)^{20}-1}{0.03}} = 26.87

→50万円 × 26.87 = 1343.5万円

 

ケース②-1

宝くじの運用結果、20年後には1800万円になりそうだ。

では、この内、500万円を年金支給までの生活資金として3%で複利運用しながら

取り崩して使っていこうと思う。

毎年何円ずつくらい受け取れるだろう?

→資本回収係数を使います。

 \frac{0.03}{1-\frac{1}{(1+0.03)^5}} = 0.22

→500万円 × 0.22 = 110万円

 

ケース②-2

宝くじの運用結果、20年後には1800万円になりそうだ。

 そのお金をリタイア後30年にわたって、

3%で複利運用しながら取り崩し使っていきたい。

→資本回収係数を使います。

 \frac{0.03}{1-\frac{1}{(1+0.03)^20}} = 0.067

→1800万 × 0.067 = 121万円

 

ケース③

定年退職後は老齢年金とは別に50万円ずつ年金を受け取れるような資産を準備しておきたい。

3%で複利運用しながら、50万円ずつ取り崩して受け取ることを考える場合、

定年退職時点でいくら必要か?

→年金現価係数を使います。

\frac{1 - \frac{1}{(1+0.03)^20}}{0.03} = 14.88

→50万円 × 14.88 = 744万円

 

ケース④

定年退職までに750万円準備したい。

定年退職までの30年間、3%で複利運用しながら積み立てていくとしたら、

毎年いくら積み立てる必要があるか?

→減債基金係数を使います。

\frac{0.03}{(1 + 0.03)^30 -1} = 0.021

→750万円 × 0.021 = 15.8万円(月13000円くらい)

 

いくらかシミュレーションのケースを出してみました。

こんな感じで、ライフプラン設計におけるいろいろなケースのお金のシミュレーションができますね。 

 

最後に

今回、3回にわたって"お金の計算に役立つ6つの係数"の話を書きました。

FPの勉強ではこのトピックの話は、問題含めて3ページくらいしか触れられていない気がします。

係数の導出なんてしていないので。

こんな係数があります。係数表から数字拾って、計算してください。くらいです。

 

FP技能士の試験では、今の話を含む、生活に関わる様々なお金の話を範囲としています。

今回の話は本当にごく一部なので、生活に関わるお金の話ってまだまだあります。

知っていると便利なことが本当にたくさんありますが、

私たちはその多くを知らないままなんとなく生きています。

別に知らなくても生きてはいけるんです。

それでも、私は知っておいた方がいいと思います。

 

FP試験の内容は生きていく上でのお金の教養となります。

もし、学生・社会人の方で、学校や会社の資格手当の対象となっているなら、

ぜひ勉強しましょう。

役に立つ知識が手に入る上に、お金と評価も得られるので3得です。

 

 

以下は学生時代使っていた参考書のシリーズです。イラストが豊富で読んでいて分かりやすかったです。

社会保障や税制など頻繁に変わるので、

試験に受かろと思ったら最新版にしてください。

おおまかな考え方だけなら、ちょっとくらいなら古くても大丈夫だと思います。

 

 

さらに、こういった数学的なアプローチでのお金の話に興味がある方は、

数理ファイナンスを勉強してみると面白いと思います。

数理ファイナンスのテキストとしては以下がおすすめです。

実務家の方が書かれた本で、比較的わかりやすく書かれています。

また、表計算ソフトを使って実際の使い方まで解説してくれています。

使うためのファイナンス知識が分かると思います。

また、こちらの本はがっつり専門書になっています。

I,IIに分かれていて、Iの方は内容も基礎的で分かりやすいですが、

IIはかなり覚悟を決めて臨む必要があると思います。

その分、しっかりしたファイナンス理論の知識が身につくはずです。 

 

私事

最後に私事ではあるんですが、今回記事を書くことで、

自分の理解内容が整理された感じがします。

忙しい中で、そこそこのボリュームの記事を書くのは大変でしたが、

私自身非常に勉強になりました。 

今後もこういったトピックを取り上げていきたいです。

 

以上です。

プライバシーポリシー ・お問い合わせ